バッテリー
バッテリー製造のレーザー溶接
大規模な電気自動車の導入にはレーザー溶接が欠かせません。なぜならレーザー溶接は、バッテリーセルの製造、セルのモジュールへの接合、モジュールのパッケージへの設置、さらには駆動装置自体や電動モーターやパワーエレクトロニクスの製造に応用されているからです。
光干渉断層撮影(OCT)技術は、加工レーザービームのシームトラッキングにおいて超高精度化をはじめ、電気自動車の製造やバッテリーの溶接において不可欠な役割を果たしています。
高解像度OCTシステム
高解像度のOCTシステムにより、電気自動車のバッテリー部品のレーザー溶接時の表面気孔率を調査することが可能になります。特に安全上の理由から、バッテリー溶接では、水分や腐食の侵入を防ぐため、高強度で気孔率を極めて低く抑えた気密接合部を形成する必要があります。
OCTデータを取得することで、溶接部全体のトポグラフィーを測定し、保存して後続の加工モニタリングに活用することができます。OCTを用いた溶接部トポグラフィーの正確な定量評価により、品質管理において開気孔などの欠陥を特定することが可能になります。
この品質管理ツールの高精度は、バッテリーセルのレーザー溶接に関する次の 2 つの動画で確認できます。
動画1:OCTによる溶接品質評価(溶接後)の例で、動画上の赤い点は、完成した円形溶接部をスキャンするパイロットレーザーです。後ろのラインは、OCTのスキャンデータに対応しています。
動画2:動画1のスキャン結果です。溶接欠陥 (気孔) のある円周溶接の 継ぎ目の層を 3Dにしたものです。
電気自動車分野におけるもう一つの用途は、様々な材料の組み合わせと形状を持つバスバーの溶接です。溶接は、バスバーを貫通して非常に繊細なバッテリーセルに侵入することなく、最小限の電気抵抗と最大の強度を確保するために十分な深さで行われなければなりません。溶接深さ測定オプションにより、次の図のように溶接の溶け込み深さをいつでも正確に測定・制御できるため、品質保証のためのコストと時間のかかる縦方向研磨が不要になります。
このようにOCTセンサー技術を搭載したレーザー溶接システムは、高度な柔軟性を提供し、信頼性の高い加工モニタリングにより、安全で継続的に製品品質を向上させることが可能です。